台風23号

平成16年10月20日

未曾有の規模の台風が日本列島を縦断しました。
兵庫県北部(但馬)における過去の災害白書を調べてみますと
直撃するより、大阪上陸の時に大きな被害をもたらしているとの事でした。
今回、10月20日に岸和田に上陸した台風23号によって大量の雨が降りました。
午後3時頃には、大量の雨水が日光院勝手口から境内に流れ込み、床下浸水の
危険が迫りましたが、消防の方々の素早い対応によって、土嚢が積まれ
危機一髪で浸水を免れました。しかし、西側の裏山の谷水が鉄砲水となり、
一気に境内に流れ込みました。流れ込んだ水は、濁流となり正面石段から
滝のようにながれ、村の中に濁流となり、恐ろしい勢いで流れていきました。

正面階段は、濁流の滝と化していました。

資料館前の道です。とても歩けません。

「道」ではなく、「川」そのものでした。

一晩中、懐中電灯を手に、お堂の裏を点検して廻りました。
午後8時頃だったでしょうか、「ゴロゴロ、ガラガラ!!」と地響きと共に
杉の木が根元からグラグラと揺れるのを見ました。余りに不気味な気配に
一度は庫裏に引き上げました。しばらくしてから、再び確認しますと、杉の木が
お堂に向かって沢山倒れており、山崩れがあったことを確信しましたが、
どれほどの規模かは分からず、お堂に直接被害が無かったため、それ以上は
調べませんでした。翌朝の光景を目の当たりにして、愕然としました。
境内は、朝の時点で約15センチの池となっていました。

薬師堂裏は川になっていました。大きな杉の木が薬師堂に向かって倒れていました。

地蔵堂の屋根に一本の杉の木が倒れ、瓦の一部を壊していました。

地蔵堂の屋根越しの風景が、いつもと全く違うのです。

高さ約200メートル、幅約30メートル位でしょうか。
山頂から崩れ落ち、お堂の裏約10メートルの位置で奇跡的にも止まっていたのです。

奇跡的ではありますが、実は奇跡ではありません。
本尊様のご加護によるものなのです。
南無妙見大菩薩、南無薬師如来、南無地蔵菩薩  合掌。

そして、通勤です。椿色の県道が流され、通行止めになっていました。
迂回路も無いため、歩道を通ることで、何とか通勤できました。

この被害状況は、但馬の中では随分小さいものでした。

豊岡市、日高町の皆さんは、多くの方が床上浸水、車も水没、
また、八鹿町でも、宿南地区の多くが浸水しました。

大変悲しいことですが、尊い人命も失われたとの事。ご冥福を祈ると共に、
一日も早い復旧と、心の安らぎが一刻も早く訪れることをお祈りいたします

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