仏像展

平成16年6月18日

妙見さんの信者さんであり、信心深い中島藤吉氏の信心の結晶とも言うべき 仏像彫刻の展覧会を日光院信徒会館に於いて開催致します。

仏像展 『母の心・・・仏の心』
中島藤吉 78歳 八鹿町石原1125番地 

仏像彫刻を始めたのは、生死に係わる事が幾度も有りましたが奇跡的にも生かされている事は、なき母の見守りすなわち仏の助けによると気付き、仏を彫りたいという思いに始まります。
私の母は肺の病で亡くなったと思います。幼い私に伝染するのを避ける為、近づけなかった様に思います。その母の心は私と同じく寂しく大変だった事と思います。  

加賀野千代女の句の中に、自分の子をなくした心の中の寂しさを句に詠んでいます。
「ねてみつ おきてみつ かやのひろさかな」
「トンボつり 今日は どこまで 行ったやら」・・・母の思いが感じられます。

母の思いと子の願いを慈母観音に込めて彫りました。母の思いは皆同じと思います。
光裕上人さんが仏様の所に行かれた時、お母様の思いはきっと私の思いと同じではと思い慈母観音を刻みました。お寺様でお祀りいただければと思いお納めしました。 
そして、他の観音様、仏様も母を慕って彫りました。龍灯鬼は邪悪な鬼が仏のお諭しにより心を変えて、仏法という灯りを照らし我らを導くために一生懸命に尽くしている姿です。
その決意を表している姿に大変心を引かれて彫りました。 

 また、テレビで見た大自然の中で心に深く残っている場面があります。仏の心なのか、異種の動物の母子の実在を見ました。ライオンに襲われた鹿の親子の場面です。
逃げる母鹿と子鹿が離ればなれになり、小鹿はよたよた歩きで逃げられず、ライオンの餌食になると思ったとき、ライオンが小鹿を庇いました。また、雨の中小鹿が冷えないようにお腹で雨を除け、まさに本当の親子のようでありました。ライオンは自分の子を亡くした母ライオンでした。その母ライオンが食べ物を探しに出ている間に、小鹿はその場を離れ、 遠くで見ていた母鹿の基へ逃げていきました。帰ってきたライオンはいなくなった小鹿を探し、 何とも云えない様子でありました。考えられない事です。「母と子」私は仏の心だと思います。 
その思いを込めて刻んだ仏像に何かを感じていただければ幸いに思います。

平成16年6月吉日   中島藤吉

場所:日光院 信徒会館 妙見閣
主催:但馬妙見 日光院
期間:平成16年6月18日~7月29日
午前9時から午後5時まで
入場:無料

中島藤吉仏像展開催によせて

妙見さんのお膝元、石原在住の「とうきっつぁん」こと中島藤吉さんは、戦争をはじめ、 幾度も生死に関わる体験を奇跡的にもくぐり抜けてこられ、その度に幼くして別れた母親の姿と声を感じておられたとの事。今日こうして生かされているのは、亡き母の見守りによる事に気付いた時、遠い記憶の中の母(仏)の姿を何とか彫りたいという思いに始まり、仏像を彫り始めて今年で24年目。幾つもの仏様がお姿を現されました。

いずれの仏様もその慈愛に満ちた優しい表情とお姿で見る人の心をやさしく包み込んでくれます。今回、日光院檀信徒会館「妙見閣」において「仏像展」を開催いたします。 
中島氏の信心の結晶に触れて頂き、仏様の慈悲、母のぬくもりを感じていただければこんな素晴らしい事はないと思います。 合掌  但馬妙見 日光院 住職 森田光順

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