ダライラマ14世

平成18年10月31日

ダライラマ14世

於:新高輪プリンスホテル・国際会館パミール

今回の講演会を企画していただきました関係各位に心より御礼申し上げます。   

オープニングで「チベットチベット」という映画を見た。中国に支配され、追いやられているチベット民族の現状を垣間見て、また、命がけで亡命してきたチベット人を100%の愛で受け入れられる法王のお姿を拝見し、自然と涙があふれた。 

ダライラマ法王猊下が予定より少し遅れ、午前9時50分過ぎに入場された。俄かに会場がざわめき、間近で法王に謁見できた。魂が震えるとは、こういう事を言うのだろう。 

法王のお話は、一番最初に「みなさん一人一人の功徳はとても小さい・・・しかし、それらを集めると大きなものになる・・・」と。やや厳しい(と私は感じた)表情で我々に諭すようにおっしゃられた。その言葉がいたく心に刺さった。

その後、世界平和のためには、慈悲、愛が普遍の真理として存在し、それらを実践する事の大切さを私達に分かるように、何度も何度も丁寧にご法話くださった。自らの心を正しい道へ進ませるための方法を、簡潔にそして力強く、笑顔を絶やさず仰られたのはとても印象深い。

利他行の実践、「慈悲」、「非暴力」、「思いやり」・・・心の働きを見つめなおす事を何よりも大切だと教えていただいた。それらの言葉は知っていても、なかなか実践できていない。
しかしながら法王の姿を拝見し法話を伺っていると、増谷文雄氏の「仏陀」の序文、「この人をみよ。なんとなれば、人間が考えうる最高の人物像がそこにある云々・・」との一節を思い出した。
まさに、現在、考えうる最高の人物像が、目の前にいらっしゃるのである。この感激、この気持ちを生涯忘れてはいけないし、忘れる事は無いだろう。

いかに生きるか、まさに「生」をよりよくする為の教え、生きる智慧が仏教であるとの法王の教えを聞き、いつか必ずダラムサラに行き、ダライラマ法王に再会したいと思った。