魂のつながり

今から約25年位前、原信夫とシャープスアンドフラッツのサックス奏者の前川元さんとのささやかなお付き合いがありました。
 
それは、魂のお付き合いといいましょうか、不思議なご縁を頂いたのです。
 
当時、日光院の住職であった、祐親大僧正が、某病院に入院しておりました。
その付き添いのなかで、同じ主治医で、同じ病院に入院されていた前川元さんとお出会いし、そこからご縁が始まったのです。 

当時、私は中学三年でしたが、病室で前川さんにお会いしたとき楽器をあたかも子供を抱くように大切に抱きかかえ、扇風機の回る病室ではだめ、との事で、屋上でプロの演奏を直接聞かせていただきました。 

当時、その事がとてつもない事とは知らず、ただ、美しい音色に感動しました。
 
祐親大僧正が遷化された昭和58年、前川さんが日光院に初めてお越しになられました。
私は大好きだった祖父を失い、そして光を失っていた家族に、それらを全てを忘れさせてくれるとても素敵な時間を頂いたことを、今でも強烈に覚えています。
 
悲しい時のはずが、「前川さんが家に来てくれた!」という記憶しかないのです。
 
その前川さんも昭和60年に逝去され、再び強烈な寂しさを覚えました。 

その後・・・ 

7年前までは、現住の光順法印さんが、毎年お仏壇にお参りしておりましたが、体調を崩して以来、私の従兄弟が、住職の代わりのお参りしていました。 

今年の夏より、ようやく私がお参りさせていただけるご縁となり、本当に久しぶりに前川さんにお会いさせていただきました。本当にご無沙汰でした。 

息子さん、奥さん、そして、ジャズバンドをしておられる長女さんと、初めてお会いするにもかかわらず、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
それは、まさに魂のご縁と申しましょうか、つながっている魂を実感しました。 

後日、息子さんの編集による「前川元 ソロ演奏曲集」のCDををお送り頂き、さらに、長女さんのジャズバンド・ポトフの「古の樹」というCDもお送り頂きました。 

そこには、まさに前川さんの演奏するサックスが繋がっていたのです。

今年25歳になられる前川さんのお孫さんの演奏するサックスを心のそこから素敵な響きだと思いながら聴かせて頂きました。 

人は、時間を超え、魂のつながりとして、永遠に生き続けるのだと感じる出来事でした。
 
感謝!

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